月夢
清正×行長








灯りを消して横になってから、かなりの時間が経つが、一向に眠気は訪れる気配を見せず 、目が冴えるばかりだった。

何度目か解らない位うった寝返りを、もう一度して、溜め息と共に起き上がり、障子を開け夜の空に浮かぶ限りなく満月に近い月を眺める。

今日はもう眠る事は諦め、月を肴に酒でも飲むかと考えるものの、どうにもそんな気分でない。


自分の事なのに、どうしたら良いものかと苦笑が洩れる。

どうしてなのか、どうしたいのか、そんな事は解っていた。
しかし、それを認めたくない。そう思う。 もう一度、月に目を向けた。
月は暖かくも冷たい光を降らすだけ。


―――まいったな…。認めざるをえない。


―――彌九郎に会いたい―――


認めてしまったが、会う事は叶わない。
行長は現在大坂に居る。清正も先日まで大坂に居たのだが、帰ってきた清正と入れ違いで宇土を発っていたのだった。
お陰で数ヶ月行長と顔を会わせていない。
しかし、こんな事は今までもあった事だ。

それなのに―――

月は静かな光を放つ。
幾分冷えた風がゆるりと木々を撫で、清正の手をすり抜けていく。

そして、清正は立ち上がった。




せめて供を付けてくれと言うのを、適当にあしらい清正は近くの浜辺へ向かう。

暫く行くと波の音が聞こえ、海が見えてくる。

空に浮かぶ月と、水面に浮かぶ月が見える丘に立つ木を背に座り込んだ。

此処は行長のお気に入りの場所の一つだった。



波の音を聴き、二つの月を眺めていると、幾分気持ちが落ち着いてきて、邸では飲む気にもならなかった酒だが、何と無くもってきた酒を一口味わう。


喉を流れる酒が妙に心地良かった。



そうしている内にいつの間にか眠りへと入っていった。






立てた右膝に伏して寝ていた清正の耳に鳥のさえずりが届き、覚醒する。
左足に重みが加わっている事に気が付き、そちらに目を向けると、会いたいと思っていた人物、行長が仰向けで清正の太腿を枕に寝ていた。


夢が見せた幻か?


そっと髪に触れれば確かな感触が伝い、幻ではなく現実だと認識させる。
何故此処に居るのか。本人に聞いてみなければ解らない。

「彌九郎」

髪を撫で、そのまま頬に手を滑らすと、行長の眉根がよる。

「う〜…なんやぁ…ぜんぜん寝てへんねん…おこ…」

覚醒しかけるも、また眠ってしまう。
余程眠たいのだろう。
このまま寝かせておくかとも思うが、此処に居る理由が気になって仕方がない。

「おい。何故此処に居る」

問掛けると、目は開かないものの、眠り半分で行長が答え始める。

「大坂いったら…虎おらへんもん…いそいで…」

また眠ってしまう。しかし、言わんとする事は解った。解ったが、普段素直ではない行長の素直な言葉が聞きたかった。

「俺に会いたかったのか?」
「ん〜…あいたかったぁ…」

清正の口元に笑みが浮かぶ。半分寝ている行長を誘導しての言葉であったが、起きている状態では絶対に聞けない言葉だ。
眠りを妨げぬよう、柔らかな髪を撫で、


「俺も会いたかった」


素直な言葉を返した。









おわる?

センチメンタル清正(笑)

一応。
この後の小ネタがあったりします。
でも、ここまでの雰囲気台無し。
見る?
見ちゃう?
っていっても大したもんじゃないけどね。

すくろーるしちゃって。



































佐々木 ちなみに、後は邸にお持ち帰りッスよ☆ナマモノですので、お早めにお召し上がりくださいだな。
司岐 小西、うっすら寒くて目が覚めると、清正の布団で真っ裸なんだよね。

あー…うん。裸なら寒いわけだ。

とかぼんやり思ってゴソゴソしてるうちに、だんだん目が覚めてきて
「あれー?」みたいな。 清正、ファイト☆
小西は睡眠欲が食欲の次に幅をきかせてるぞ!眠りに入った小西は、ぶっちゃけ鮪だぞ!
佐々木 行長鮪、競りでおとしたか!(笑)
小西であれば清正は何でも美味しく頂くよ☆
ここぞとばかりにキスマークを付けてありそうだ。普段は怒るので、数ヶ所で。
真っ裸で目が覚めたけど、服が見当たらない!どうしよう!みたいな状況になるな。
司岐 競りは、過去類を見ない高値で落札デス。
小西の服は、ほら、あそこ。皺にならないように衣紋掛けにかかってますよ?
清正の心遣いですが、少々布団からは遠めの所にありますデス。
キッスマークは胸元に。歯形は鎖骨にお願いします。
佐々木 高値か!秀家とでも張り合ったか!(笑)
歯形。マジ食われ気味。キッスマークは腕の内側とかにも付いてる。
「なんでこんなとこ?」 みたいな。 スベスベして気持ち良かったんだろう。
絶対「何でこんなんなっても、俺起きひんかったんやろ…」って落ち込みます 。
小西としては、清正に会いたくて頑張って帰って来ました。やるのも全然構わないんです が、なにぶん自分は寝てて記憶がない。ちょっと納得いかない。 清正は既に満足気味。まあ、小西が迫れば別ですが。


小西「虎っ、虎っ!!」
清正「…寝てる人間の鼻を摘むな、彌九郎。何だ、いきなり」
小西「…納得いかへん」
清正「はぁ?」
小西「気持ち良かったか、悪かったかも覚えてへんねんっ!ちゃんとさせや、アホ」

ガブリ。
小西、清正の鼻先に噛み付きましたよ。

清正「っ〜鼻を噛むな!」
小西「だって、俺かて噛まれとるもん」

ココと鎖骨辺りを指す。

清正「もう少し色気のある誘い方をしろ」
小西「寝てて誘ってもいないのにやっといて、起きてると誘えっちゅうんかい!」

納得いきません(笑)


台無し。
小西は食欲の次に睡眠欲が幅利かせてます。
睡眠不足だと、半覚醒はしますが、何をしても起きません☆


20061106   佐々木健