何故か、左近×吉継です。 今までの現代版とは別次元とお考えください。 なので、浮気じゃないです(笑) 左近と吉継は同棲してます。むしろ結婚してる?な勢い。 左近は会社役員。吉継は大学生みたいです。 左近と吉継はこのSGに居るのとは随分性格が違います。むしろ別人。 左近は「砂上の夢」の恭さまのとこの左近をお借りしました! このお話も、恭さまと一緒に書きましたです! |
Merry Christmas☆ 左近×吉継 |
クリスマス。 今や日本では、恋人達の最大のイベントであった。 そんなクリスマスを間近に控えたある日、吉継は頭を悩ませていた。 「どうしよう…何も用意出来てない…」 彼が頭を悩ませているのは…最愛の人へ贈るプレゼント。 何を贈ったら喜んでくれるだろうか? 優しいあの人は、自分が何を贈っても喜んでくれるだろうけど、本当に心から喜んでもらいたい。 そう思って、あれこれ品を考えてみては、どれもこれもイマイチな気がして決まらない。 ……こうなったら、反則だろうが、情けなかろうが、本人に聞くしかない!と吉継部屋を飛び出した。 「左近さん!」 リビングで本を読んでいる左近に、勢いのまま声を掛ける。 「どうしましたか?」 本に落としていた視線を上げ、優しい笑みを浮かべ振り返る左近に、吉継の心臓が跳ね上がった。 長いとは言い切れないが、短いとも言えない位共に過ごしているはずなのに、左近を見る度に吉継はドキドキが止まらない。 頬を赤く染めながら、思いきって尋ねた。 「クリスマスプレゼント。何が欲しいですか?」 「吉継さんが傍に居てくれるだけで、他には何もいらないですよ」 即座に答えが返される。 その答えに、吉継の顔は更に赤く染まった。 そんな吉継を楽しそうに見つめ、左近が手招きをする。 それにつられて、左近に近づき、隣へと座りこんだ。 「でも、何か贈りたいんです…」 「その気持ちだけで、嬉しいですよ」 頭を撫でると、納得いかないという強い視線が左近へ向けられる。 「では…吉継さんは、クリスマスプレゼント、何が欲しいですか?」 「え?」 問われて戸惑い、そして気付く。 「あ…」 「なんです?」 優しく頭を撫でながら、答えを待っている左近を見つめた。 「左近さんが、傍に居てくれたら…何もいらないです」 吉継の答えに、喜びの気配を露にすると、薄く開かれた唇へ、口付ける。 素直に口付けを受ける吉継が、とても愛しく、更に深く重ねた。 ―――それから、三連休は他の用事は入れない事。と、二人でクリスマスを祝った。 三連休の明けた25日。 目が覚めたら箱が置かれていた。 枕元に置かれたそれは昨日寝たときにはなかったものだった。 隣で寝ていたはずの左近は居ない。 「左近さんのかな?」 思いながらそれを手に取る。 見てみると箱の上にはリボンがかかっていて小さいメッセージカードがついていた。 「吉継さんへ?」 書かれていた文字を読み上げて首をかしげる。 私に? 三連休出かける用事は二人共なかったのだし、渡すならいつでも良かったはずなのになんで今枕元におかれているのか分からない。 そう思いながらも慎重にリボンを外す。 掌に収まるサイズのそれはなにか見たことのあるサイズだったように思う。 ドラマの中での話しだけれど…。 ぱかり。と音を立てて開いたそれにはきれいな指輪が収まっていた。 「指輪?」 指輪だ。と心の中で繰り返す。 全体がシルバーで、少しだけ蝶をモチーフにしたような装飾されたそれはとてもきれいなものだった。 石? 指輪の内側には石、というか宝石がはめ込まれていた。 なんでこんな分かり難い場所に…。 そんな事を思って指にはめようとしたところで左近さんが部屋に入ってきた。 「おはようございます」 何事もなかったようにそう挨拶をしてベットに腰掛ける左近さんはしっかりともう出かける用意ができていて、スーツのジャケットを脱いだだけの姿だった。 「左近さん?あの、これ」 戸惑いながらはめようとしたものを見せるとくすりと笑われた。 「サンタクロースからですかね?」 「え?」 「サンタさんから。吉継さんが良い子だったから」 そう言いながら左近さんが指にそっとはめてくれた。 「ぴったりみたいですね」 良かったと少し息を吐いて左近さんが言うから顔が赤くなる。 「サンタさんからの贈り物です今日だけでもつけていてくれませんか?」 付けられたのは右手の薬指だった。 理由はよく分からないけれどこくりと頷く。 今日だけじゃなくてもつけていると思うけれどどういっていいか分からなくて口ごもっていると軽い音を立てて左近さんが頬にキスをくれた。 「コレに通して首から提げていてくださってもかまいませんから」 そう言ってそっと指輪を抜かれたとおもったら箱に同じく入っていた鎖に通して首にかけられた。 「どうか受け取ってあげてください」 「あ、ありがとう」 思わずそれだけ言うと凄く嬉しそうに左近さんが笑った。 サンタにも、伝えておきます。 耳元の髪をすいて其処にキスを落としながら囁かれてびくりと体が震える。 じゃあ、いってきます。なるべく早く帰りますからね。 宥めるように言われて頭を撫でられた。 子供扱いされているのかも。 そう思ったのは左近さんが家を出て暫くたったときだった。 貰った指輪を、再び指にはめ直す。 右手の薬指。 まるでそこに収まるのが当然の様にぴったりだ。 自分でも指のサイズを測った事がないのに、どうして分かったのだろう?サンタクロースこと、左近は。 聞いてみたいけど、絶対照れてしまう答えが返ってくると思う。 何だか、結局自分はプレゼントを貰ってしまった。 「左近さんにも、サンタさん来なくちゃ」 出掛ける準備をしながらも、視界に指輪が入る度に、顔が緩んでしまう。 「身に付ける物を持っていてほしいかな?」 そうなると、何が良いだろう? 指輪は、貰ってしまったから、ネクタイ?ネクタイピン?カフスボタン?ベルト?腕時計?色々考えながら街を歩く。 三連休が終わって25日クリスマスの街は、クリスマスの飾りと、新年を迎える準備とで、和洋折衷?な感じになっている。 それが何だか可笑しくて、ぐるりと周りを見渡した。その時、一件の時計屋が目に入る。 「やっぱり、腕時計かな?」 時計屋に入ると、時計ってこんなにも種類があるものか。と様々な時計が並んでいる。 自分が使っている目覚まし時計も並んでいて、つい手に取ってしまったり。 それから腕時計が並んでいるところへ移動しようと思った時、一つの時計が目に入った。 鈍く光る金色の懐中時計。 最近は目にする事が全くといっていいほどの物だ。 でも。何故かそれを見た時、左近が懐中時計を持っている映像が浮かぶ。 「似合いそう…」 似合いそうだけど、腕時計に比べたら不便だとも思う。 それに、結構な値段。 「そちらの時計が、気に入られました?」 諦めるしかないと思った時、後ろから声を掛けられた。 慌てて振り向くと、店の主人らしき人物が、ニコニコと人好きする笑顔で立っている。 「あ、はい。とても綺麗だなって。でも…」 「値段が高い」 思っていた事を言われ、顔が熱くなった。 「これは、機械式ですからね。電池式に比べると、どうしてもね」 「そうですか…」 諦める気でいたのに、どうしてか落胆の息がもれた。 「でも、なかなか気に入ってくれる人が居なくて、もし良かったら、安くお譲りしますよ?」 「え?でも…」 「最近は皆腕時計ですからねぇ」 こんなものでどうでしょう?と電卓を見せられる。 随分思い切った値下げで、少し申し訳ないと思いつつ、これなら買える。と思ってしまった。 それから、プレゼント用に包装してもらい。何度も礼を言いながら店を後にする。 「左近さん。喜んでくれると良いな」 左近が帰ってくる時間に合わせ、コーヒーの準備をしていると、ドアフォンがなった。 「ただいま帰りました」 「お帰りなさい」 出迎えに走ると、指輪に気付いた左近が微笑む。 「指輪、してくれているのですね」 「はい。戴いたものですし、とても気に入ったから」 大切に指輪に指を這わすと、左近が嬉しそうに笑む。 「とても似合っていますよ」 「有り難うございます」 コーヒーを飲んで、夕飯の準備をしようと立ち上がった左近を呼び止める。 「左近さん!あの…左近さんにも、サンタクロースからプレゼントが届いていました」 そう言って包みを渡すと、少し驚いた表情をして、受け取った。 「サンタクロースから?」 「はい。届けるのが遅くなってしまったみたいです」 のんびり屋さんですよね。と加えると、 「そうですね。でも、私がいい子がどうか、悩んだのでは?」 「左近さんはいい子ですよ。…私が言うのもおかしいですが…」 二人で笑い合う。 左近が包み紙を丁寧に剥がして行く間、気に入ってくれるかどうかが気になってしまい、神妙な面持ちになってしまった。 箱を開いた左近が、瞬きを繰り返し、止まる。 「懐中時計…」 気に入らなかっただろうか? やはり、腕時計にしておくべきだった。と思った時、 「素敵ですね。つい見惚れてしまいました」 「き、気に入ってもらえました?」 「はい。とても。サンタさんにお礼を言わなくてはいけませんね」 大きな掌の中に納まる懐中時計を見て、 (やっぱり似合う) と見惚れてしまった。 「吉継さんから、伝えておいてください」 「え?あ、はい!」 「有り難うございます」 右手を取られ、指輪の辺りにキスを落とされる。 それから、懐中時計はいつも左近のポケットにいて、吉継の右手薬指には、指輪が光っていた。 終わり。 |
らぶらぶです! 左近吉継は、照れくさいほどラブいかんじで! …。まだ更に後日談があったり☆ 賛同者求む!(笑) 20071225 恭さま&佐々木健 |