トキメキ☆ダーリン
清正×行長







どうして服ってのは、こんなにも増えていくのか。





時期も時期だから、秋物だけでもそろそろ手前にしておこうと思ったのが数日前。
ねね力作の、マンション住民向け回覧に『週末は廃品回収!今回は古着もOKだよ☆』などという言葉を見付けたのが、今日の昼。

ここぞとばかりに片端から片付け始めた清正の横で、ごそごそと気になる品物を発掘しながら、行長が一つの箱を指差した。


「なぁ、これも開けてえぇ?」


振り返り見れば、四隅が黄ばんだ紙箱が行長の膝の上に乗せられている。
覚書も無い箱に、ふとそのまま捨てるのも忍びない気になり、清正は首を傾げながら小さ く頷いた。


「あぁ」


一体何を仕舞い込んでいたのか。

あんな古びた箱に詰め込まれ、数年間も虫干しされずにいたのなら、これから先も袖を通すことはないだろうと、気にしつつも作業に戻りかけたその時。


「うわ、デカっ!」

「…――?」


怪訝そうに声の主を見遣った清正は、思いもよらない光景に数度瞳を瞬いた。
暫くぶりに広げられた、真っ黒な服。


「腹立つ〜っ!」


文句を言いながらも袖を通し始めた行長に、清正は小さく問い掛ける。


「…何してるんだ」

「んー?」


ぷちぷちと釦を留め、部屋の中央で仁王立ちする行長。


「どや?男前やろ?」

「―――」


指先だけ覗かせた学生服姿に、男前も何もあったものじゃない。

ちらりと寝室までの距離を目測しながら、清正は心中で大きく頷いた。








さっきまでの自分に訂正。 物持ち良いのも、悪くない。















おまけ。ジャージも見つけた編。


「うわ!これ、学校のジャージ?」

「ん?ああ」

「めっちゃデザイン洒落とるやん。俺のなんかダッサダサやで。俺、臙脂色やったもん。上の学年の緑ジャージも、妙な色やったけど」

「何で違う必要があるんだ?」

「へ?」

行長は学年ごとに違いましたが、清正のところは全学年一色です。
年齢の違いを痛感(笑)




終わり。


タイトルと中身に、何の関連性も感じられない品。

いや、自分の部屋が大変な事になってたから、つい。

20070926   司岐望