もうそろそろ年賀状の準備をしなくちゃね!


「結婚しました!」(正則×吉継)






PCで作る、年賀状のデザイン集を購入してきた正則。
食事も終えて、早速試してみる。

「この辺りに自宅住所…うおっ、そうじゃった!」

今年から吉継と一緒な事に感動中。

後でこっそり 『福島正則・吉継』 って入れる気満々。
顔がにやけて仕方が無い。
そしてまた思いつく。

「そうじゃ!折角だしの」

ついでに「結婚しました!」って年賀状にしてしまいました。
写真は至って普通のしかないが、この報告風なのが、何だか幸せ。
そんな物を制作してるとは知らずに、吉継が紅茶を淹れてPCに向かう正則の元にやってきた。
「どう?良いデザインあった?」
「おう!どうじゃコレ!!」

制作した「結婚しました!」年賀状を嬉々として吉継に見せる。
目の前に出された年賀状を見つめる吉継。
こめかみに青筋が浮いている。

「正則」
「おう!」

「いつ、どこで、誰と、誰が、結婚したのかな?」

って頭グリグリされながら聞かれました。






次の日。

昨日『結婚報告年賀状』(偽造)を作ったせいか、手紙とかに敏感になっている様子。

「うむ。使わなきゃ、良いんじゃろ!」

と言いつつ、『自分で作るウェディングカード』本(CD-ROM付き)を買っちゃう正則。

懲りません。

出来上がった結婚招待状は清正と小西、三成、嘉明、脇坂、秀吉夫婦に届きました。





次の日。
ゴミ捨てに管理人室前を通る吉継を、ねねが呼び止める。

「吉継!とうとう結婚するんだね!おめでと」
「え?」

ねねの言っていることが解らない。
そんな吉継にねねが招待状を見せる。

『この度、福島正則・大谷吉継は結婚する事になりました…云々』

固まる吉継に気付かないねねは、

「でも、日付も場所もないのよね。まだ決まってないの?」

固まっていた吉継の肩が震える。

「すみません。それ、何かの間違いです!」

ねねから、その招待状を奪って、2階へ走り、まだ出勤前の三成の部屋のインターフォンを押す。

「どうしたのだ?そんなに慌てて」

着替えの途中であったのだろう、三成がネクタイを片手に出てきた。

「正則から何か届いてない!?」

吉継の慌てた様子に不思議がりながら、「コレか?」と封を切っていない封筒を差し出す。

「ゴメン。これ、何かの間違いの手紙だから!存在を忘れて!」

封筒を奪い取った吉継は、次は清正の部屋に向かう。
出てきたのは行長。
どうやら、此処に泊まったようです。

「正則から…」
「あ〜招待状な。おめでとさん」

笑顔の行長とは対照的に落ち込む吉継。

「あはは。正則の願望交じりのお茶目な冗談やろ」
「お茶目どころじゃないよ…」

額を押さえて溜息を吐く吉継を、暖かい笑顔で見つめる行長。

「でも、それだけ本気っちゅう事やろ。今回は怒らんといてやり」


嘉明の元にも届いた招待状を回収し、部屋に戻り招待状を眺める。

「結婚します…か…」

出来るわけないじゃん。

ピンポーンとインターフォンが鳴り、出ると「電報です」とキティちゃんを渡された。

「………」

差出人は「脇坂安治」
正則と同じ高校の地理教師だ。

もう、どうしたら良いものやら…。




夕方

行長には怒るなと言われたが、やはり言わねばならないと思っていたところに、正則が帰ってきた。

手には式場パンフレットを持って上機嫌だ。

「正則!」

叱ろうと意気込む吉継の元に意気揚々と正則がやってきて、吉継が怒る前に正則はパンフレットを開き、

「神前とチャペルとどっちがエエかのぅ?」

ウキウキと話し始める正則に、何だか怒る気力もなくなった吉継。
正則はというと白無垢とウェディングドレスの吉継を想像して悶えている。

「ドレスも色々あるのぉ…情熱の赤、可憐なピンク、爽やかな青、華やぎの黄色…裾が長いのに短いの。うむ〜…ん?」

悩む正則を呆れ顔で眺める。
正則の視線が止まった。

「あなた色に染めて…うお!やっぱり白じゃ!白が良い!」

元気一杯です。

純白のウェディングドレスの吉継。 正則大興奮☆

もう、何を言っていいのやら。
そこでふと思う。

「貴方色って、結局のところ、正則は何色なの?」

問いに興奮状態だった正則が動きをとめ、悩みこむ。

「ワシって何色なんじゃろ?」

うんうん悩む正則を放って、吉継は買い物袋の中身を見て勝手に料理を始めた。


吉継が作った料理を食べつつも未だに悩んでいる正則。

「吉継はワシが何色じゃと思う?」

自分じゃ解らないと思ったのか、吉継に尋ねる。
吉継は尋ねられ少し考え込むが、すぐに思いついた。

「ん?…赤かな?」
「ほうか!赤か!」

赤と馬鹿を掛けて言ってる。
そんな事とは露知らず。自分の色を、赤色と言われた正則。情熱の色を指されて、ドキドキです。

「赤色…情熱、愛の色…うぉっ!」
「?(またなんか思い付いた…)」
「今夜、頑張れ…!?」
「どんな思考回路なのっ!!」

グリグリの刑決定。







終わり。

正則はネタ満載です☆


20061203   佐々木健&司岐望